今日は女の子にとっての決戦日!だとか・・・・・・・・・・
今日は女の子にとっての大事な日vだとか・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・俺にはさっぱりわからんけどね?」
そんな事をつぶやいたら、同僚の紅に「寂しい男ね〜?」と笑われた。
バレンタインデーKISS
「あぁーなんかドキドキするってばよー!」
そう言いながらさっきからそわそわとせわしなく動き回っているのは俺の生徒の一人、うずまきナルト。
「お前がドキドキしてどうなるバカが・・・・・」
妙に冷静な態度を保ち木に寄りかかりながら黙って立っているのはもう一人の生徒、うちはサスケ。
「何かっこつけてんだよ!そんなこと言いながら、お前だって貧乏ゆすりしてるじゃんかよ!」
(・・・・・・何がそんなに楽しみなんだか・・・・・・)
そんな事を思いながら2人を見ていると、「あっ!ごめんねー!!!」と聞き覚えのある声が。
「ほらほら?2人とも喧嘩してるんじゃないよ?おまちかねのサクラの登場だぞー・・・・・」
俺がそう言うと、今までそわそわしていたナルトも、黙って立っていたサスケも・・・・・・・・妙に緊張し始めていた。
少し急いできたのか、サクラは息を切らしながら俺達の元へ。
手には2人が楽しみにしているものがしっかりと用意されてあった。
「で?サクラ・・・・・・・・・やっぱりそれをくれるためにここに呼び出したのか?」
そう・・・・・・・ここに俺とナルト達が集まっていたのは、サクラに呼び出されたからなのだ。
電話越しで時間と場所を説明している時のサクラは、妙に嬉しそうで・・・・・・・・・・・そして楽しげだった。
(だから断ろうにも、断りきれなくてここにいるんだけどサ・・・・・・・)
正直に言えば、この年にもなってわざわざバレンタインデーにチョコを貰うためにくるのもどうかと思うんだけど。
(・・・・・・・・・まあ可愛い生徒のためと思えば・・・・・・・・)
そんな風に自分を納得させサクラを待っていたのだ。
「はい!みんなに渡したかったから、集まってもらったんです!」
顔はいつもよりもニコニコと嬉しそうで、気持ちも高ぶっているせいか頬が少し赤い気がする・・・・・・・・・・・・・・
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高ぶっているのか・・・・・?にしては・・・・・・・・・・・・・・・・・)
なんだかサクラの頬の赤みが妙だと感じた。
走ってきたからとか、気持ちが高ぶっているとかではなくて・・・・・・・・・・・・・・・・・?
そんな事を考えていると、サクラがそれぞれにチョコを手渡し始めた。
「はい!ナルト!一緒の班になったから仕方なくチョコを上げるんだからね?だからこれは[義理]なんだからね!」
妙に[義理]の部分を強調しながら言うサクラにナルトはそれどころではなく、「いやっほーう♪」と飛び跳ねて喜んでいた。
「で・・・・・・・・・これがサスケ君に!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サスケ君のは[義理]じゃないから・・・・・・?」
少し恥ずかしげに、でも期待するようにサクラがチョコを手渡すと、サスケは「・・・・・・・貰えるもんは貰っとく・・・」とつぶやいていた。
少し頬が赤くて、口元がにやけそうになるのを抑えて震えているのがわかった。・・・・・・・・・・・・・・素直だね〜?
そして最後に俺の元へ来て、サクラが「はい!先生v」とチョコを手渡した時、ふとサクラの手に触れてやる。
(あぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりね?)
「・・・・・・・・・・・・先生?・・・・・・・・・・チョコ嫌いでしたか・・・・・?」
いつまでたっても受け取らず、手に触れたままでいた俺にサクラは不安そうな声を出した。
「ん?・・・・・・・・・・・・・・いや大好きだよ♪アリガトな?サクラ・・・・・・・」
ふっと笑って見せた俺に、サクラは嬉しそうに微笑んだ。
瞳は潤んでぼんやりしていた。
笑顔も少し、辛そうだった。
自然に立っているつもりなんだろうけど、足元のふらつきに気づかないはずがない。
「さてと!それじゃーサクラからの愛のチョコも貰った事だし?帰るとするか!」
俺がそう言うと、ナルトやサスケもうなずいた。
「サクラも帰ろうな?」
そう言って手をつないでやると、サクラは驚いて目を見開く。
「え?!な・・・何?!」
その俺の行動にナルトやサスケは不満の声や態度を示すが、
「今日はチョコのお礼に先生が家まで送ってやろう・・・・・・・な?」
と二人をほとんど無視してサクラに言うと、サクラは少し迷っていたが「それじゃあ・・・・・」と素直に返事をした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先生いつから気づいていたんですか?」
「んー?・・・・・・いつからって・・・・・サクラが来た時からだけど?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばれないようにしているつもりだったんでけどな・・・・・」
「・・・・・・・・・先生をなめるんじゃないよ?」
背中越しに聞こえるサクラの声が、先ほどとは打って変わって辛そうにしていた。
ナルト達の姿が見えなくなるまでサクラは笑顔で手を振っていたが、見えなくなったとたんふらりと座り込んだのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい先生・・・・・・私重いでしょ・・・・・・?」
「ぜーんぜん!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サクラは軽くて鳥の羽みたいだよ?」
「・・・・・・・・・・・ありがとう先生・・・・・・・・・・・・・・・・2人に黙っていてくれて・・・・・・」
「いえいえ・・・・・・・・・・・・・・・・・・でもまあ感謝の気持ちがあるなら・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
別に本気で思ったんじゃなくて、少しふざけてみただけなんだけど・・・・・・・・・・・・・・・・
「先生は大人だから、甘いチョコよりも・・・・・・・・・・・・・・サクラからのキスがほしいな?」
そう言って笑って見せた俺の頬に柔らかくて暖かい感触。
「・・・・・・・・・・・・!?サクラ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう・・・・・先生・・・・・・・・・・」
情けない事に驚いて、恥ずかしい事にキスぐらいで顔が熱くなって、ドキドキしてしまった俺の耳に最後に聞こえたのは
そんな可愛らしいつぶやき。
そしてすぐ後に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寝息だけが響いた。
はぁ〜とため息ついて、その一瞬だけで妙に疲れてしまったけれど、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バレンタインデーも悪くないかもね・・・・・・?」
と空を見ながらつぶやいた。
END
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これもバレンタイン記念に書いたカカシ×サクラ小説。
でも雰囲気的にはまだお互いに気持ちがはっきりしていないって感じですかね〜?
昔はこんな2人に燃えていたんですが・・・今はもっと先までのことでしか萌えなくなってしまって
いる自分を初心に戻そうかと( ̄▽ ̄;)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無理だろな・・・(遠い目)
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