今は表。
でも明日は裏かもしれない。
それでもやっぱり表になって、きっとすぐに裏になる。
ココロ、ころころ
「・・・・・・石田くん・・・ごめんね?」
今僕達はある世界にいた。
それはけして普通の人間が来る事ができないそんな世界。
そんな世界で僕達がなぜ存在でき、そしてこうしているのかというと・・・・・なんて事はない。[友達]を助けるためだという。
そんな気持ちで僕はここに来たわけでもないけれど・・・でもこうして走っているのを考えると、やはり[友達]を助けるためなのかもしれない。
そう感じるようになった。
「・・・・・・え?」
どこまでも続きそうな塀の壁を横にしながら僕達は走っていた。
そんな時、僕と一緒に走っている少女がそうつぶやいた気がした。
「・・・?・・・・・井上さん今何か言った?・・・」
僕がそう読んだ少女の名は、井上織姫。僕と同じく[友達]を助けに来た一人だ。
こうして井上さんに聞かなくても僕にはちゃんとその言葉は聞こえていた。けれども・・・
「今・・・何か言ったのかい?」
わざとこんな事を言うのは、けして意地悪だとかからかってだとかではない。
この少女は・・・・・自分の非力さを嘆いているのだ。
いや・・・自分自身で非力だと思っているのだろう。彼女はけして非力ではないと僕は思っている。
「え?!・・・あれ?聞こえなかった・・・?」
彼女は少し戸惑って困ったように笑って見せた。
だから僕はいったん足を止め、もう一度同じ言葉を繰り返す。
「うん・・・ごめん?もう一度言ってくれるかい?」
そんな僕に彼女は少しだけ顔を伏せたが、すぐににっこりと笑って答えた。
「あー・・・うん!いいや!なんでもない!さっ!早く朽木さんを助けに行こうっ!!!」
そう答えて彼女は走り出そうとした。
(こんな時・・・奴ならなんて言うんだろう・・・)
そんな事を思い、僕は小さく声をかける。
きっと僕からじゃなく、奴からの言葉の方が彼女は元気が出るだろうと思いながらも。
精一杯の自分の言葉で。
「・・・・・朽木さんとたくさん遊べるよ・・・きっと・・・」
声を出し終えたとたん体中が熱くなるのを感じた。
なんて支離滅裂な発言!
なんておかしな慰め方!
顔が赤くなってきたのを感じて思わず手で口元を押さえた僕に、彼女は少し驚いたような表情をして・・・
「・・・う・・ん・・・うんっ!そうだね!そうだよね!たくさん・・・たーくさん!朽木さんと遊べるね!」
ハッと息を呑むほどの笑顔が僕の中に流れてきた。
息苦しいような、心地よいような・・・そんな笑顔。そして・・・
「もちろん黒崎くんもね!」
彼女の嬉しそうなその言葉に胸が痛んだ。
「・・・あぁ・・・そうだね?たくさん遊ぶといいよ・・・たくさん・・・」
おかしい・・・そう感じたのはいつごろからだっただろうか?
いつの間にか彼女の口から出る奴の名前に胸が痛むようになったのは?
どんなに思い出そうとしても、いつからだったのかわからなくて・・・でも奴の話をする彼女の笑顔を好きになっていた頃と同じのような気がする。
「え?どうして?・・・・・石田くんも一緒に決まってるでしょ!」
「・・・え?僕も・・・かい?」
少し驚いた僕に井上さんは大きくうなずいてそしてまた笑顔になる。
「そうだよ!そうじゃなきゃ・・・楽しくないもん!」
「・・・あっ・・・・・・・・」
どうしていいかわからない自分。それが少し情けなかったけれど。
「・・・あ・・・ありがとう・・・・・」
素直にそう言えた。
「こちらこそ・・・・・・・・」
井上さんの言葉に僕が顔を上げると。彼女は優しく目を細める。
「ありがとう・・・石田くん・・・・・」
あぁ・・・こんな僕でも彼女を元気にさせる事ができたんだ。そう感じて嬉しくなっている自分がいた。
あぁ・・・こんな僕でも彼女を安心させる事ができるんだ。そう感じて自然と笑えている自分がいた。
「さっ・・・先を急ごう!」
僕の言葉に彼女は「うん!」とうなずいてまた一緒に走り出す。
ころころと転がるように変化し続ける僕のココロ。
END
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はい・・・マイナーカップリングが大好きなんです!!!( ̄▽ ̄;)
いやなんかもう、BLEACH読んで来たぁーーーっ!ってなぐらいの勢いではまりました!雨竜→織姫(もしくは
雨竜×織姫でもOK)(笑)
実は微妙に一護×ルキア←雨竜にはまりつつもあったんですが!今回のでやられましたv天然だけど意外にキーポイ
ントな織姫ちゃんと、真面目でクールだけど世間知らず?な雨竜・・・っかー!たまらんっ!!!てな具合に
はまり、突発小説に(笑)
でも意外にこのカップリングの人がいるようで?ネットでもちらほらと小説書いている方がいましたよvいや〜もう幸せv
初めて書いたBLEACH小説・・・まだキャラを把握していないですが(だめじゃん・・・)書いていて楽しかったです(笑)
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