クルクルと回る傘がやけに鮮明に見えたんでさぁ・・・・・








周りの音も、景色もその時の自分には見えていなかったはずなのに・・・・・








その傘だけが、妙に鮮明で・・・・・少しだけむかついたんでさぁ・・・・・







そして・・・・・・・・・・・・・・痕がひどくうずいたんでさぁ・・・・・














君ノ、痕(シルシ)














「何してるんですかぃ?」



ぽてぽてと歩くその後姿の少女に話し掛けると、一度だけ足を止めちらりと振り向いた。



「なんだ・・・・・・・・お前・・・・・カ・・・・」



本当に、心から、「なんだ・・・」という顔をしてまた歩き始める少女。



「天気が良いですからね〜・・・・・散歩でもどうです?」



そう話し掛けても少女の歩みは止まる事無く進む。



「なんだったらそこのベンチにでも座って話なんかいかがですかぃ?」



それでも少女は、聞こえていないかのように思いっきりシカトする。














「・・・・・・・・・・・・やっぱり、あの人でないとだめなんですかぃ?」













そう静かに声を出すと、やっと見せた反応。



(本当に・・・・・・・・・・・あの人となると、素直なんですねぃ・・・?)



少女は今度はきちんと振り向いて見つめてきた。












真っ直ぐに・・・・・・・・・・・











揺るぎない瞳で。




















「お前は・・・・・・・・・・・・・何が言いたいアルカ?」



少女はそう言って少しだけ瞳に力を入れる。



「なんにも?・・・・・・・・・・・・・・・・ただ・・・・・こうすれば振り向いてくれるんじゃないかと思っただけでさぁ〜?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



少女は何も答えない。何も答えない代わりに・・・・・・・傘をくるくると回している。



「そうしたらほら?思った通りに動いてくれて・・・・・・・・・・・・・・・なんと可愛らしいと思ったんですぜぃ?」












タノシイ・・・・・・・・・・・・アァ、ナンテタノシイノダロウ・・・・・・・・・・・・・・・










目の前の少女は、あまり代わり映えのない様子で立っている・・・・・・・・・・・が?



段々と早くなっていく傘のくるくるは、そのまま少女の動揺を表しているかのようで。










今彼女は、自分だけを見ているという優越感にも似た感覚がなんとも心地よい。










「・・・・・・・・・・・お前・・・・・・・・殺されたいカ?」



「できるなら・・・・・殺されたくはないですねぃ?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ殺してあげる?」









ゾクゾクとした感覚が、体全体に流れた。








不意に変った少女の瞳の光に、舌なめずりしている自分が見える。

















そうでさぁ〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうして自分だけを考えてほしいんでさぁ・・・・お嬢さん?
















「はい、お終い・・・・・・・・」



キンッとした空気が一瞬にして消える声。



自然と出ていた舌打ちに、その声の主にちらりと視線を流す。



動くと思われた少女の瞳を手で覆い隠した男は軽く体を曲げ、少女の頬に自分の頬を重ね「神楽・・・」と小さく少女の名をつぶやいた。













「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・銀・・・・・ちゃん・・・・・・・・?」













少女の口からはやんわりとした声が発せられた。それはとても安心したような、切ないようなそんな声。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ナイスタイミング・・・・・ってやつですかぃ?」



そう言った自分に、男はフンッと鼻で返事をする。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・悪いんだけど・・・・・あんまこいつを挑発すんのヤメテくんない?」



男はそう言って、やっと少女の瞳を解放する。



それと同時に、自分が求めていた瞳の光をなくした少女は何も言わず男の服の裾を軽くつかんだ。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・別に挑発なんかしてませんぜぃ?ただ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」














・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同じもの同士、ちょっと楽しもうと思っただけでさぁ?












「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



自分の言葉に少しだけ男は間をおいた。銀とも白とも言えぬ自分の髪の毛をガシガシと掻き、疲れたような態度でつぶやいた。















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・てめぇと一緒にするんじゃねーよ?」



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「・・・・・・・・・・・・・・・まるで自分の所有物じゃないですかぃ・・・・?」









独りベンチに座りながらそうつぶやいた。



今はもう、少女と男の姿はない。



「・・・・・・・・・・・・でも、あの目の光は・・・・・自分のモノですぜぃ?・・・・・・・・・・・・・銀時さん・・・・・・」














目に浮かぶのは少女の白い肌。



紅もさしていないのに真っ赤な唇。



すらりと伸びた手足。



そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・壊れた微笑。
















「ね?・・・・・・・・・・これの方が・・・よく似合うじゃないですかぃ?」



「これの方が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゾクゾクするじゃないですかぃ?」
















君の残した痕。



今もひどく・・・・・・・・・・・・・・・心地よい。




END


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おぉー!!?銀魂3作目だっ!?

と自分で驚いている所です。(おい)
今日もまた仕事しながらネタばかり考えていたら、なんかすらすらと。しかも沖→神(笑)

この2人の関係はイタイ方が書きやすいみたいです。ちょっと狂った感じの彼が好みなようです(爆)
だから、この文の内容・・・・・・・結構、自主規制して書きました( ̄▽ ̄;)ちゃんと書いたらやヴぁい単語が
ちらほらと出ていたので?(え)

まぁいつかは作るだろう裏部屋とかでなら・・・・・・好き放題書きたいと思っていますがね?(笑)

しかし・・・・・・・・・・いまだ銀魂のキャラをつかめていないのに3作目。やっぱ本借りるんじゃなくて、
買った方がいいのかしら・・・(遠い目)






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