「「さぁ〜?だ〜れだ?」」
「うー・・・・・・右がジョージで!左がフレッドよっ!!!」
私の声が意外に大きく談話室に響くのを感じた。
周りのみんなは少しあきれたように・・・でも面白がってるように注目する。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
私に指を指された同じ顔をした少年二人は、しばらく間を置いて・・・そして、
「「ぴんぽ〜ん♪大正解だよv」」
そう言って、私のほほにキスをした。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!!?」
【だ〜れだ?】
「・・・?だ・・・大丈夫?」
私が顔を真っ赤にして呆然と立ち尽くす姿に、大親友のハーマイオニーが心配そうに声をかける。
ハーマイオニーがポンポンと背中を叩いてくれたと同時に、私の目からは大粒の涙が。
「う``・・・・・バーバイオジーぃーーー」
「何言ってるかわからないわ」
「ぐやじぃよーーー!!!!!」
「はいはい・・・少し落ち着こうね?」
どうして私がこんな目にあっているか、それを今から説明しましょう。
なんだか知らないけれど家に届いた謎の手紙。それはここ、魔法学校ホグワーツへの入学案内だった。
もちろん私は普通に日本の中学校へ通っていたのだが、突然届けられた怪しげな入学案内と、ほぼ強制的に迎えに着やがった白髪白髭のじいちゃんによって、ここに入学する事になったのは数ヶ月前。
なぜか年下の生徒達と同じ教室で勉強する事になったのは、私の住んでいる日本が魔法に関しての知識が少ないためだと言われた。
そんなこんなで2歳年下の学年の生徒とこうして過ごす事になったのだが・・・いや、過ごすのは全然かまわない。
だってここではまったく違った事をしているので、めちゃくちゃ面白くて楽しいのだから。
そうまるでTVなどで観たアニメのような世界がここでは広がっている。
「これで妙な呪文言って変身スーツみたいなのがあれば完璧なのにね?」
「え?変身スーツ?」
「いや・・・こっちの話・・・」
そう、友達はみんないい子達ばかりだし、しかもここは色んな国の子が集まっているから金髪やら碧眼やら・・・まるでお人形のような女の子達がいっぱいなのだ。隠れ美少女好きとしてはたまらない環境だv
「ほんと・・・ウハウハよねv」
「ウハウハって何??」
「いやいや気にしないで?心の中の言葉だから?」
「口に出していてどこが心の中の言葉なのよ・・・?」
それなのに・・・こんな楽しい魔法ライフを過ごせていたはずなのにっ!!!
私がどうしてこんな風に泣きを見なくちゃいけないかというと!
「「おぉ〜vなんて美しいんだ!東洋の魔女殿vvv」」
このステレオサウンドの双子のせいなのだ。
私が入学した時は、確かに初めての東洋からの生徒・・・と騒がれてはいた。どうやらいままで私みたいに日本から来る生徒はいなかったらしい。
だから入学した時に、私を誘拐の一歩手前状態で連れてきたじいちゃんに(後でわかったがこのじいちゃんはここの校長だったらしい)、
「君のように日本から来た生徒は初めてだ・・・だから周りはきっと君の事を好奇心の目で見てくると思う・・・」
と言われていたから、覚悟はしていたが・・・この双子はそんな周りよりもさらに好奇心の塊だったらしい。
だから初めのうちは私もにっこり微笑むくらいの余裕があった。しかし・・・
この双子はそんな事だけじゃ〜物足りなかったらしい。
初めのうちはそんなに気にもしない程度の双子の態度。でもそれがだんだんとエスカレートしていき・・・ついには妙に過激なボデータッチっときたもんだっ!(怒)
髪の毛にはべたべた触るわ!抱きついてくるわ!腰に手を回してくるわ!しまいには・・・さっきのようにほほにキスをしてくるわっ!
ハーマイオニーは「挨拶みたいなものよ?」と簡単に言ってくれるが、
「日本じゃ普通じゃないのよっー!!!」
と何度それで泣きを見た事か。セクハラで裁判だってできるんだからっ!
で、最初に戻る。
私はいい加減、このセクハラ双子をどうにかおとなしくさせようとある条件を出したのだ。
3週間の間に、私がジョージなのかフレッドなのか見分ける事ができたら私に付きまとわないと言う・・・条件を。
それを3回間違わずにできたら、私にかまわないと言う約束を。
いたずら好き、ゲーム好きの彼らはすぐにそれに乗ってきた。これも私の作戦の一つ。彼らは単純なのだ。
そしてもう一つ・・・私には勝つ自信があったのだ。
だてに今までこの2人を相手にしてきた訳じゃない。私はその条件を出す以前から彼らを見分ける事ができていたのだから。
「・・・って意外と卑怯よね?」
「何言ってるの?策士家と言ってv」
それがさっきの双子の「だ〜れだ?」の正体。
私はこれで2問正解したのだ。
「ふっふっふっふっふ・・・・・・・これで後1つ正解すれば私は自由の身よーーー!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・私あなたが時々怖くなるわ?」
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「・・・・・・・・・・・・なんか変・・・」
そう思ったのは2回目の正解からしばらく経ってからだった。
何がおかしいのかはわからないのだが・・・とにかくなんだか変な感じがした。
体調が悪いとか、勉強がわからないとか、頭が悪いとか(・・・)・・・・・・・・・・・・とにかく、なんだかいつもの調子が出ない気がした。
「・・・・・・・・・・・・・ふ〜ん?それってフレッド達が全然会いに来なくなったせいだったりして?」
「えっ・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・?あれ?否定すると思ったのに・・・?」
「・・・・へっ?!やっ・・・・・・そんなはずないじゃんっ!・・・・・・・・・・・・・・・・そんなはず・・・・・ねぇ?」
「・・・・・・・・・・・・?」
私がぼーっとつぶやいていた言葉をハーマイオニーは聞いていたらしく、彼女は少し意地悪っぽい言い方でそう言った。
その言葉に正直・・・驚いたのは本当。でもその後否定したのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当なのかな・・・?
言われてみればと考え込んでしまう。
なんだかココロにぽっかり穴が開いたようにすかすかした妙な感覚。物足りないような空腹感にも似た気持ち。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うーん・・・)
珍しく考え込んでいる私にハーマイオニーが何やら楽しそうな顔をしていたが、でもその時の私にはまったく目にも入っていなかった。
双子と交わした条件の期日は明日で終わり。明日の3問目を正解したら・・・・・・・・双子とも終わり。
胸がドキドキして、
キュンとなって、
チクチクして、
シクシクして・・・・・・・・・・・・・なんだかすごくいやな感じのままその日になった。
「「さぁ〜東洋の魔女?最後の3問目だよ・・・・・」」
いつもの通りステレオサウンドで声をそろえる双子。なんだか懐かしいような・・・そんな感じがした。
「あっ・・・ねえ?答える前に少し聞いてもいい?」
なんだか妙に照れくさくて、私は少し目をそらしながら聞いた。
「聞きたい事?」
「でもヒントはあげないよv」
「ヒントとかじゃなくて!・・・・・・その・・・どうしてしばらく来なかったのかな〜って?」
双子はキョトンとした顔で互いの顔を見合わせた。
「・・・どうしてって・・・?」
「一応・・・当てられないための作戦だったんだけどね?」
双子はそう言ってにっこりと微笑んだ。
「作戦・・・?」
今度は私が不思議そうな顔をする番。なぜ会いに来ない事が作戦なのか?そう聞くと双子はまたまた声をそろえてこう言った。
「「毎日のように会っていたらに癖を見破られてしまうだろ?だから辛いけれど!苦しいけれど!から距離を置いておいたのさっ!」」
楽しそうにそういう彼らに、思わずつられたように笑ってしまっている自分がいた。
彼らはなんて正直なんだろうと。
彼らはなんて・・・・・・・・・純粋なんだろうと。
「・・・わかった・・・・・・・・・・・・・・・・それじゃあ、3問目いきましょ?」
一度目をつむり、深呼吸をして・・・・・・・・・・・・・・・・・・私はそう言って彼らをまっすぐに見つめる。
「「OK〜♪さぁ〜?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だ〜れだv」」
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「やーめーてーぇぇぇぇぇ!!!?」
またいつものように私の声が響き渡る廊下。
全速力で逃げ回る私にぴったりと、余裕かましながらついて走っているのはセクハラ双子フレッド&ジョージ。
「「〜vvv朝のキスをしなくちゃね〜♪」」
「いーらーなーいぃーーーーーーー!!!?」
「またやってるわ・・・懲りないフレッドとジョージもだけど、いい加減なれないもよね?」
走り回っている親友を横目にハーマイオニーがそうつぶやいた。
それに答えるように双子と同じ赤毛の少年があきれたように肩を浮かす。
「ほんと・・・でも、が3問目を間違ったから仕方ないんじゃない?」
そんな少年の言葉に、ハーマイオニーはクスッと笑みを浮かべてこう言った。
「・・・・・・・・・まぁ本気で間違ったんなら・・・・・・・・・・仕方ないんだけどね」
ハーマイオニーの言葉に少年は不思議そうに首をかしげた。
END
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はい・・・初の夢小説です。こんなんですんません(T▽T;)
なんだか妙に長くなってしまった内容なんですが・・・これがうまく名前変換されればいいんですけどね?(おい)
ハリポタ一番好きな双子なんですけど・・・まだ性格が微妙な所がなんともかんとも(汗)
こんなんでも楽しんでいただければ嬉しいです!あまり<愛>が見えない内容ですが( ̄▽ ̄;)てへv
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