白や灰色の羽が君の周りを舞っていた。












それはそれは美しい光景だった。












真っ白い君の肌と、闇よりもなお闇の色をした長く真っ直ぐな髪と、紅もさしていないのに目の映える様な紅い唇と。












それはまるで、今僕の元に舞い降りてきた天使のような君。












僕は声も出ないほど見惚れて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






















白い天使が降りてくる



















ドゴォッ!!!!!







ハッとした時、僕の目の前に近づいてきたのは君の見事な飛び蹴り。



「ぐっはっ・・・・・・・・・・!!?」



悲鳴ともなんとも言えない声が僕の口から吐き出された。そして僕に飛び蹴りを見事にかまし、スタッ!と音が出るような着地と共に発せられた君の言葉。












「人のパンツを長々と見てんじゃないわよ・・・・・・」










ふてぶてしいその態度と、なんとも強気なその口調。



学校中の生徒、下も上も・・・・・全ての組からも憧れの的である[東洋の魔女]と呼ばれる  その人であった。



「仕方がない・・・・・・今日はこのくらいで許してあげるわ・・・・・・・」



そう言い残してはその場を去っていった。



残された僕はその後、ハリーとハーマイオニーに見つかるまで気絶していたという事を後々聞くことになった。



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「・・・・・・・・・・・・・それは、ロンが悪いんじゃないかしら・・・・」








談話室で、に見事な蹴りを食らった事を話した僕にハーマイオニーが軽く目をそらしながらそう言った。



「・・・・・・・・・・・ハーマイオニー僕が悪いと思ってるのに、どうして目をそらすのさ・・・」



僕がそう言うとハーマイオニーは「あ・・・は・・・ははは・・・」と困った顔で笑って誤魔化す。



「・・・・うん・・・・・・・・たぶんロンが悪いと思うよ?・・・・・・って言うか、そうとしか言えないだろ?」



ハリーは僕の肩をぽんぽんと叩きながら「あきらめなよ?」というように静かにつぶやいた。



「・・・・・ハリー・・・・・・・僕達親友だよね?どうして僕の味方になってくれないの?」



僕が情けない声を出すと、ハリーもハーマイオニーも顔を見合わせてしみじみと声を出す。















「「ロン・・・・・・・・・・・・は見た目は極上の天使だけれど、中身は非道この上ない悪魔よ?」」













そう言った2人の顔はスネイプよりも顔色が悪かった。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そ・・・・・そうだったね・・・・・・」



僕の声はため息と共に吐き出される。






















そうなのだ。



は本当に綺麗な子なのだ。



体は折れそうなくらい華奢で、風が吹けば飛んでいくんじゃないかとさえ思う。



肌は今まさに空から降ってきた綿雪のように穢れのない白さで、でもふんわりと染まるピンク色の頬は思わず触れてしまいたいほどで。



紺碧色に程よく近い黒髪は、さらさらと小さな風にさえ舞い上がる柔らかそうな長い髪。



紅く色づいた唇は、みずみずしさの中に艶やかな妖艶さえも感じる。



はそんな子なのだ。綺麗な中にも可愛さがあって、それでなお真っ直ぐに見つめてくる瞳はキラキラと慈愛にも満ちた美しさを持った子なのだ。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・でもねぇ〜・・・・・人間って言うのは、どこか完璧にはできてないもんだと・・・・・を見てつくづく感じたわよ・・・」



ハーマイオニーはそう言って、体の中の空気を出すくらいの大きなため息をつく。それに賛同するように僕もハリーも「うんうん・・・」とうなずいてみせる。











こんな風に言うと、は実はめちゃくちゃの悪で、悪い事とか弱い者いじめだとか・・・そんな事をする子なのかと思うかもしれない、でもそうではない。



はいい子なのだ。










弱い者いじめなんか大嫌い!(反対に弱い者いじめする奴はたぶん半殺しくらいはされるであろう・・・)

卑怯な奴なんか大嫌い!(の前でそんな真似したらたぶん一生トラウマになるような目にあうだろう・・・)

人を差別する奴なんか大嫌い!(確かこの前、ドラコはに裏拳をかまされていたような気がする・・・)









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、つまりそういう子で。



非常に性格が[男気]あふれる女の子で。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ね?ロンが悪いって事にしとこうよ・・・?」」



2人はそう言って僕から目をそらしていた。



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ただ単にが恐いだけじゃないかぁ〜・・・)



そう思いながらも、僕も何も言えずため息ばかりつくしかなかった。



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それから数日が経って・・・・・・・・・・・・・・














ドグシャッ!!!!!!



「・・・・・・・・・・・・・・・・だから、なんでロンは私のパンツを長々と見てるかなぁ〜?あぁ〜?」



そう、またもややってしまった。今度は蹴りではなく、伝説の右ストレートが僕の体を雪の中にうずめた。



はまるで、この前の『魔法生物飼育学』で習った日本の魔物[鬼]の絵と同じような顔で僕をにらみつけていた。



「ち・・・違うよ!?別にのスカートが舞い上がる瞬間を狙っている訳じゃないよ!この前だって!本当にたまたまそう言う場面に出くわしてしまっただけでっ!!?」



この前にも食らった蹴りで少し打たれ強くなったのか、今日はなんとか気絶せずに起き上がる事ができた。・・・・・・・と言っても腰は抜けたままだが(泣)



僕のそんな言葉には「ほほぉ〜う・・・」と威圧感のあるオーラを出しながらゆっくりと近づいてくる。



「ほほほほほほほほ・・・本当だって!それに別にのパンツを見ていたんじゃないよ!?僕は・・・・・・・・・・・があんまりにも天使みたいに綺麗だからっ!!!?」






















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・?」





















そう声を出したのは僕。



思わず言ってしまった言葉に、「いい訳言うなんて!女の腐った奴じゃー!!!」とか言いながら怒られるかと思ったら。




















はぴたりと足を止め・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・湯気が出るんじゃないかと思うくらい真っ赤な顔をして立ち尽くしていた。




















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」



怒らない事に驚いたのと、急に真っ赤になって立ち尽くしている事にに頭を傾げる・・・・・・そんな僕には突然。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・何・・・・・・・・・・・言って・・・・・・・・・・・・」














大きな瞳からポロポロと大粒の涙を出し、へなへなと力が抜けたようにぺたりと座り込んで頬を手で覆い隠す。



・・・・・・?えっ・・・・・・・・・・・・・・・・ど・・・・・どうしたの?!」



こんなは入学してからも一度も見た事がなくて、僕は怪我でもしたんだろうかと思わずに駆け寄った。



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、怪我しているのは僕の方だと思うけども・・・・・・・・・・・)




















!?どうしたの!!怪我でもしたの?!具合でも悪くなったのっ?!」



「やっ・・・・・・・・・・・・・・あのっ・・・・・・・・・・ちちち・・・・・・違うっ・・・・そのっ・・・・」



「えっ?!乳が痛いの?!じゃあ僕がさすって・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ドゴッ!


「つぅ・・・・・!・・・・・・・・・って、冗談はさておき・・・・・・本当にどうしたの?!顔が真っ赤だよ!!!なんだか熱もありそうだよ?!」



「いや・・・・ち・・・違うの・・・・・だから・・・・・そのっ・・・?!」



「全然違くないじゃないかっ!?ほら!無理しないで!!!僕がマダム・ポンフリーのところへ連れて行ってあげるからっ!!!」

















あまりにもが真っ赤な顔をしているから、突然困ったように泣き出すから・・・・・・・・僕はなぜだか腹が立った。



確かに頼りない僕だけど、の蹴りで気絶してしまう僕だけど・・・・・・・・・・・・・・・
















「僕だって!を守るくらいできるんだからねっ!!!!!」













そう一言に叫んで、僕は、座り込んで腰を抜かした状態のを思いっきり抱き上げた。























ゴキッ・・・・・・・・・・・・・・・・・






















鈍い音が腰の辺りに響いて、僕はを抱き上げようとした格好のまま・・・・・・・・・・・・・後ろに倒れこんだ。



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの時の飛び蹴りの後遺症かも・・・・・・・・・・・・)



















なんてかっこが悪いんだろう・・・・・・・・・・・・・・・



なんて情けない奴なんだろう・・・・・・・・・・・・・・・・



女の子一人も、しかも華奢なさえ抱き上げる事ができないなんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぅ・・・・・・・ダメダメだよね・・・・・・・・僕・・・・・・・・・・・・」



泣きそうになって思わず両手で顔を隠してしまった僕に、は遠慮しがちに囁いた。



僕にしか聞こえないような・・・・・・・・・・・・まるで女の子のような・・・・・・・・・天使のような可愛いしぐさで。























「あ・・・のね・・・・・・・?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私、ロンの言葉に・・・・・・・・・・・ドキドキしてしまったの・・・・・・・・・・・・・・・」



初めてそんな風に言われたのだと、だからびっくりして涙が出てきてしまったんだと。



はそう言って僕の手をどかし、真っ直ぐに見つめて微笑んでくれた。




















それはそれは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・天使のような可愛らしい微笑で。





















「・・・・・・・・・・・・・・・・私を心配してくれたロンは・・・・・・・・・・・・かっこよかったよ・・・・・・・・・・・?」



最後にそう言って頬に天使のキスをくれた。



















真っ白い肌と、真っ直ぐでさらさらな黒髪と、可愛らしい紅い唇の・・・・・・・・・・・・・・・・・・見た目が天使な君からのキスを貰った。



















弱い者いじめが大嫌いで、卑怯な奴が大嫌いで、人を差別する奴が大嫌いな腕っ節のいい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・性格が[男気]あふれる天使な君からのキスを貰った。


















END



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なんだかヒロインが段々と壊れていっているような気がします(おい)

久々のハリポタ夢!今回はロン君がお相手ですv
でもなんだか情けないロンになっている気がする・・・・・・それよりもロンの性格がつかめていない(ぇ)

私の中でのロン君はとっても紳士な感じです(笑)女の子には優しくて(ヒロインに対しては)、恥ずかしい
セリフも自然と言える子です。「天使みたい・・・・・」なんて恥ずかしくて×2?書いている時も少し抵抗が
ありました(爆)私の心が(ある意味)腐っているからだろうか・・・・・?( ̄▽ ̄;)

そんな感じのロン君・・・・・読んでくださって感謝です♪







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