チクチク棘が増える。
チクチク棘が増える。
どんどん、どんどん棘が増えて・・・・・・
きっと彼女も僕を嫌いになるんだろう。
そして僕は泣くのだろう。
棘
彼女の名は、。
もっとも嫌うべきグリフィンドールの生徒。
僕とは違う貧乏な家柄のロン・ウイズリーと仲がよくて、
僕の嫌いなマグルのハーマイオニー・グレンジャーと親友関係で、
僕のもっとも嫌いなハリー・ポッターと一緒にいる少女。
僕が好きになってしまった・・・・・・・・・・・・少女。
初めはものめずらしさだったはず。
だってホグワーツに何十年かぶりの東洋から来た魔女だったから。
と似たような姿の生徒はいない事もない。中国という国から来ている生徒だっているのだから。
と同じアジア系の顔立ちはあまり変わらないような気がする。
でも・・・・・・・・・・なぜだろう?
だけは違う気がした。
長く伸びた漆黒の髪と、今まさに空から落ちてきた雪のように白い肌と、憂いをおびた紅色の唇と・・・・・
猫のように目を細め、誰隔てなく微笑む笑顔が・・・・・
トテモ綺麗ダッタ・・・・・・・・・
気づけば目で追っていて、の声を探していて、そのひ声をかける事が何よりも切なくなっていた。
でも僕はは好きだけど、あいつらは嫌いだ。
だからいつも一緒にいるにとばっちりがいく事もあった。
その時の僕は・・・・・・・・の顔をまともに見る事なんてできるはずがない。
悲しい目をして、怯えた様子で・・・・・・・・・・・・・・・・それでも真っ直ぐに見つめてくる彼女を見る事なんてできやしない。
だからあの日。
僕はショックを隠しきれなかったんだ。
たまたま目にしたとグレンジャーの会話を聞いてしまったから。
「本当にやな奴よね・・・・・・・・ドラコ・マルフォイ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしてあんなに意地悪するのかな・・・・?」
「もう性根が腐っているんだわっ!あいつはこれから一生あんな意地悪な大人になるに決まっているわっ!最低よ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうなのかな?・・・・・・・・・・・・
ドキッとした。彼女は・・・は話を聞いた中では僕を庇おうとしている様子だったから。
嬉しかった。本当に嬉しくて、自然と頬が熱くなり・・・・・・・顔がにやけてしまっているのが自分でも感じたくらい嬉しかった。
でも・・・・・・・・・・・・・・・そんなの口からは、僕が望んでいた言葉が出る事はなかった。
彼女は少しだけ考え込んで、小さくグレンジャーにこう言ったのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドラコは・・・・・・・・・・・・・・・・棘に似ているんだと思う。」
棘・・・・・・・・・・・・・・・・?
僕もそうだが、グレンジャーも少し不思議な顔をしていた。
だって・・・・・・・僕が棘って、いったいどういう事なんだと思う?
普通なら動物だとか、比喩的な表現をするはずなのに・・・・・・棘っていったいどういう事なんだと思う?
でも、その答えはすぐにグレンジャーが解いてくれた。
それは悪口を言われるよりもショックな言葉の意味で、それならば僕ははっきりと嫌われてしまった方がいいとさえ思う意味で。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁっ!棘みたいにチクチク刺さって痛いって事ね?つまり、側にいるとこっちが怪我してしまうって感
じに思うのね?は?」
グレンジャーはバカみたいに大げさに納得して、「確かにネ?」と最後に付け加えていた。
自然とその場から走り去っていた僕。
こんなにもから嫌われていたなんて!こんな風には僕を思っていたなんて!・・・・・
足が痛くなるのも構わず。僕は泣きながら走っていた。
それから何日が過ぎて、僕のポッター達に対しての意地悪はエスカレートしていた。
に振られたからか?と言われると否定できない。
情けないね?と言われると前を向けない。
でも何を言われようが、僕は嫌いなものは嫌いなんだ・・・・・・・何もかも、あいつらの全てを否定するんだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それでもを好きな気持ちは消えてくれないのはなぜなんだろう?
「・・・・・・・・・・・・・・・僕は棘なんだろう?」
たまたまと2人っきりになった時に、僕がそう言うと彼女は少し不思議な顔をしたがすぐに「うん・・・」とうなずいた。
ポッター達が忘れ物をしたと言って、に待っていてと言ったのを聞いていたから。これはたまたまとも言えないけれど。
なんだか悔しくて、に直接聞いてしまおうと思ったんだ。
そうしてはっきりと、僕が嫌いだと言う事を・・・・・・・・・・・・・・・・言ってほしかった。辛いのはいやだから。
「・・・・・・・・・・・・・・ずいぶんだな?そんなに僕の事が嫌いか?」
手には気持ちの悪い汗が、静かな教室に響くんじゃないかと思うくらいの大きな鼓動。
早く言ってと言う気持ちと、何も言わないでと言う気持ちが・・・・・・・を真っ直ぐに見る事のできない自分をありありと見せている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?私が・・・・・・ドラコを嫌っている?」
の口からは、予想もしなかった言葉がこぼれた。
僕が「え?!」と驚いてやっと見つめる事のできた彼女の表情は・・・・・・・・・・・・・・・真っ直ぐで純粋な表情そのもの。
「だ・・・・・・・・・・・・・だって僕は棘みたいなんだろ!だからっ!チクチクしていて、側にもいたくないんだろ!?」
思ってたよりも大きな声が出ている自分。
恥ずかしげもなく慌てふためいて、まるで駄々っ子のようなそんな僕にはクスッと笑みを浮かべた。
「あぁ〜・・・・・・前にハーマイオニーが言っていた事を聞いていたのね?・・・・・・でもそれは少し違うのよ?ドラコ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?(汗)」
「私ね?人の心は丸い球体だとその後に彼女に言ったのよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・球体?」
「そう。そしてその丸い球体に刺さる棘が・・・・・・・・・・・・・・ドラコがする意地悪なんじゃないかな?って言ったの。」
はクスクスと楽しそうに話し始めた。
それにいつの間にか真剣に聞いている僕に優しく微笑みながら。
「意地悪って言うのは[棘]でできていて、ドラコの心は意地悪をするたびに・・・・・・・球体にチクチクする棘が増えていくんだと思
うの。」
「初めのうちはその棘がチクチクしていてすごく痛くて仕方がないんだけどね?でも・・・・・・・・・・・それは初めのうちだけなんだと
私は考えたのよ?」
頬に風を感じながら、僕はボーっと空を眺めていた。
頭の中がなんだかごちゃごちゃで、でもすごくすがすがしい・・・・・・・そんな変な気分で空を眺めていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・痛くない棘・・・・・・・・・・・・・・・・か・・・・・」
ぼそりとつぶやいた言葉に、なんだか照れくさく感じながらも僕はホッと胸をなでおろした。
チクチク棘が増える。
チクチク棘が増える。
どんどん、どんどん棘が増えて・・・・・・
僕は素直になれるんだろう。
素直に彼女に微笑む事ができるんだろう。
―増えてく棘は決して減る事はないんだけれど、でも球体が全部棘だらけになったら・・・・・・・・・・・・痛くない棘になると思わな
い?隙間なく埋まった棘は・・・・・・・・・・・・・・・・・誰も傷つく事もなくて、側にいても痛くなくて・・・・・・・・ドラコはそんな棘だと思うんだよ?―
END
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って言う事は、ドラコに球体が棘で埋まるくらいハリーに悪戯してもいいって事なのか?(汗)
そういう意味も取れる内容の、ドラコ夢。なんか微妙です。
私的にはドラコは決して悪い子じゃないんだと思うんですよ?むしろ素直すぎる子じゃないかと?
自分の父親があんな感じだから・・・・・「あぁ!僕もそうしなくちゃいけないんだ」的な部分もあるんじゃないかと
思いながら書いてみました。
決してドラコは普段あんな感じで悪い感じでいるから・・・素直な部分が合った方が萌えるっ!なんて事は考えてはいませんよ?
決してね?(//▽//;)てへv
初ドラコ夢読んでくださり感謝でした〜v
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