そう僕がつぶやくと、ロンは「え?」と驚いた顔をした。
「・・・・・・・・・・・ハリー?どうしてかわからないのかい?」
ロンは冗談だろ?!って言いたそうな顔でそう聞いてきたから、僕は素直にYESと答えた。
「嘘だろー?!だってもうすぐあの日なんだよ?本当にわからないの?」
ロンはなんだかものすごーく僕を馬鹿にしたような顔でそういうから、少し面白くなくてぼやいた。
「なんだよあの日って?・・・・・・・・・・・・知らないんだから仕方ないだろ!」
そんな僕にロンは少し考え込む真似をして、そっと僕に耳打ちしてきた。
「ハリーが気になる女の子にこう聞いてごらん?そうしたら君にもわかるだろうから?」
そう言ってロンはにんまりと笑って僕の肩を叩いていた。
だから僕はそのままに言ってやったら・・・・・
「私は臭くなんかないわよっ!」
って思いっきり怒られたんだ。
「ロンっ!君の言うとおりに言ったら思いっきり怒られたんだぞ!嫌われちゃったじゃないか!!!」
僕がムッとしながら宿舎部屋にいたロンにぶつけると、ロンはまたさっきみたいににんまりと笑みを浮かべた。
「へ〜vハリーが好きな子ってだったんだ?大変だよ〜?ハリー?」
ロンは訳のわからない事を言いながらクスクスと悪戯っぽく笑っていた。
「何が大変なんだよっ!君が気になる子に[なんだか匂うね?]って言えって言うから!」
僕がこんなに怒っているのにロンは「そうか〜そうだったんだ♪」と妙に嬉しそう。
「・・・・・・・・・・・・・・もうっ!どうしてくれるんだよーーー!!!」
僕の叫びは宿舎中に響き渡った。
それから・・・
突然僕はに呼び出された。
「きっと怒られるに違いない!」とか、「僕を嫌いって言うつもりなんだ・・・」とか・・・・・・
色々考えながら僕が待ち合わせの場所に行くと・・・・・
が一人立っていた。
なんだか妙にそわそわしていて・・・・・・
少し思いつめたような顔をして・・・・・
でもどこか嬉しそうで・・・・・
なんだかその姿がすごく愛おしく感じた。
声をかけるつもりだったんだけど、妙に胸がドキドキしてしまってうまく声が出ないでいると、
ふとこちらに視線を向けたに気づかれてしまった。
ドキッ・・・・・・・・・
はホッとしたような笑みを浮かべて、少し足早に僕の元へ。
の姿がどんどん近づいてくるたびに僕は息が詰まるくらいドキドキした。
(・・・・・・・・・どうして?きっと怒られるはずなのに?)
なんだかよくわからないけれど、鼓動の速さは増すばかり。
それが怒られるからドキドキしているんじゃなくて、嫌われるから息が詰まるんじゃなくて・・・
なんて言うか・・・・その・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
初めてに笑いかけられた時と同じような感じで。
「あっ・・・・・・・・・・・・・あの・・・・・・」
なぜ僕がどもらなければいけないのかわからないけど、とにかくうまく声が出ない。
なんだか顔も熱くて、の顔がまともに見ることができない。
するともなぜかうつむいて、よくは見えないけれど少しだけ顔が赤いように感じた。
(・・・・・・・・・・・・・・・え?どうしたの・・・・・・?もしかして僕を待っていたせいで・・・・・)
「っ!具合でも悪いのかい!!?」
僕がハッとしてそう叫んでの頬に手を添えると、は驚いて目をまん丸にしながらもさらに顔が赤くなった。
「!熱があるんじゃないのかい?!だめだよ!こんな寒い外にいたら!!!」
そう言って僕は自分のマフラーをかけてやり、の手をとって学校の中に急いで走った。
「・・・?!えっ!ちょ・・・・ハリー?!」
は「待って?!」と僕を止めようとしたが、僕はそれに構わず中へ急ぐ。
(大変だ!が風邪を引いてしまった!!?)
「あ・・・・・あの・・・・?ハリー?」
ここは談話室。
僕はすぐに暖炉の前に椅子を置き、半ば無理やりにをそこに座らせた。
「あぁ・・・・・・ごめんよ・・・・僕を待っているせいで風邪を引いてしまったかもしれないね・・・・・」
僕がそう言っての手をぎゅっと握り絞める。
柔らかくて、暖かくて・・・・・・・・・・・・・・・・・すごく小さなの手。
ほんの一瞬その感触にボーっとしていた僕に、は困ったような声を出した。
「あの・・・ね?ハリー・・・・・・私風邪なんか引いてない・・・・んだけど・・・?」
はそう言って僕の顔を覗きこむが、その顔はまだ赤みをおびている。
「そんな訳ないだろ!こんなに赤い顔をして!しかもなんだかすごく熱っぽいじゃないか?!」
僕が少し大きな声で言うと、は「え?!」という顔をしてまたさらに顔を赤くしてうつむいてしまった。
「本当にごめんね・・・・・・・僕、に辛い目にあわせてしまったんだよね・・・・?体はだるくない?喉は痛くない?」
僕がそう言いながら額に手をやったり、頬に触れたりしてやるとはさらにさらに真っ赤になって。
「ち・・・・・・違うの・・・!違うのよハリー!?・・・・・・・これは風邪のせいで顔が赤いんじゃないのよ・・・・・」
はそう言ってちらりと僕を見た。
ドキッ・・・・・・・・
またさっきみたいなドキドキが始まった。
が辛いって言うのに、僕は何を考えているんだと情けなく思っていたら・・・・・・
が手のひらに乗るくらいの小さな箱を僕の前に差し出した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
僕がびっくりしていると、はうつむいたまま小さな声でつぶやいた。
「・・・・こ・・・・・・・・・・・これをハリーに渡すと思ったら、なんだか・・・・・・・・恥ずかしくなって・・・・それで・・・・」
そう言うの手はカタカタと震えていた。すごく緊張しているんだと・・・すぐにわかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・・・・・・でも・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・僕の誕生日は今日じゃないよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
僕がプレゼントを受け取りながらそう助言すると、は間の抜けた声を出した。
「いや・・・・だからね?僕の誕生日は今日じゃないよ?・・・・・・・でもすごく嬉しいよ!ありがとうv」
僕がそう言っての頬に感謝のキスをすると、は「ちょっと待って!?」と僕を押し戻した。
「ハリー?!何を寝ぼけているの?!今日は何の日か知らない訳じゃないよね!?」
が慌てながらそう言うから、僕は少し考え込んだけど・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・今日ってなんかの日なの?」
と正直に答えた。
するとはガックリと肩を落として「あのネ・・・今日は・・・・・・・・・・・・・・」と教えてくれた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・そうなんだ・・・・・・僕誰からもチョコなんて貰った事がなかったから・・・・・・」
「あっ・・・・・・・・・・・・・・そうか、ハリーのお世話になっている所って・・・・・・・・・・・・」
「うん・・・・・・・・・・・・でももうわかったよ!これでロンが女の子にとって大事な日って言う意味がわかった!」
「よかった〜・・・・・・・・って?ロンがそんな事言ってたの?」
「そう!だから僕に気になる子に[何か匂うね?]って聞いてごらんって言われて・・・・・・・・・・・・・」
「あぁ!だからあの時!ハリーが私に言ってたのね?もう!ロンってば!明日にでも言ってやらなくちゃ!」
「うんでももうわかったから、あまり怒らないでやってね?」
「わかった・・・・・・・仕方がない!ハリーに免じてそばかすを増やす魔法で我慢してやるわ!」
「あはvそれはいいかもしれないね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?ちょっと待ってよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?ちょっと待ってハリー?」
「気になる女の子に・・・・・・・・・・・って?」
「好きな男の子にチョコをあげるのって?」
END
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バレンタインでハリー夢です。
初めはロン夢だったってのは内緒で。
やっぱり主人公は書かないと・・・・・と考えを改めまして急きょ変更。
可愛いハリーもいいんですが、ブラックなハリーも捨てがたい(おい)
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