「あれよね?少し遅れていけば平気よね?」
宿題を終わらせてから大広間に行くと言ったハーマイオニーを残し、私は1人そうつぶやいて
階段を降り談話室へと向かう。
今は誰も居ないはずの談話室。
きっと皆、色々遊びに出ているだろうと思って。
本当は飾り付けした大広間にすぐにでも見に行きたい所だけど・・・
「悪戯されるよりは・・・まぁいいか・・・」
なんて少し我慢する事に。
階段を下りて、談話室の扉を開ける。
思ったとおり誰もいなくて、少しホッとしながら私は暖炉側の椅子に腰掛ける。
「・・・なんか、私1人だけしか存在しないみたい・・・」
なんて思うと、少しだけ寂しい気もするが・・・ふとそんな事つぶやいて部屋の中見回してみる。
誰かがやりっぱなしの魔法チェスがそのままだったりとか、読みかけの本が置いてあったりだ
とか・・・今日みたいに、ここに人がいないのもある意味珍しく・・・面白いかも?なんて。
「「・・・・・あれ?そこにいるの・・・我等の愛しい姫では無いですか♪」」
いきなり聞こえたステレオサウンド。
誰もいないと思っていたから、思いっきり椅子の上で飛び上がってしまった。
「・・・・・・・え?」
聞き馴染んだステレオサウンド。
実を言えば、この声の主達から逃れようとしばらくここにいようと思っていたのに・・・。
「何で!2人ともここにいるのよーっ!?」
椅子から立ち上がり、私は思わず大きな声で・・・声の主達を指差して見せる。
全く区別がつかない双子。ウィズリー家の悪戯坊主達。
なぜだか知らないけれど・・・妙に私にちょっかいをかけてくる。
叫んだ私に2人はきょとんと不思議そうな顔をして・・・一度互いに顔見合わせて、
「それはこっちのセリフだよ?てっきり大広間辺りにでもいると思ったのに・・・なぁ〜ジョージ?」
「まったくだよ?をあっと驚かせようと考えていた計画がおじゃんだよ・・・ねぇフレッド?」
と肩を浮かせて残念そうに。
その言葉を聞き逃さなかったのは私。
昨日、ハーマイオニーから言われた物はたくさん持ち歩いてるし・・・少しだけ強気ににんまりと笑って見せる。
「んふふふ〜♪残念ね?2人とも?私がここにいなくても、貴方達の悪戯は失敗に終わるのよ?」
そう言って、2人の側にちょこんと立ってウィンクしてみせる。
そんな私に、2人はまた互いに顔を見合わせて「どういう事?」なんて表情を見せた。
「だって・・・悪戯されないように、お菓子をあげればいいのでしょ?私、ポケットいっぱいにお菓子を持って
歩いてるんだもの♪」
私の言葉に2人はまたきょとんとした顔で、「やった!初めて勝ったかもv」なんて思っている私を見つめ・・・
なぜかクスクスと笑い始める。
「・・・・!?・・・何?何がおかしいの?」
少しだけそんな2人の様子が面白くなくて口を尖らせた私に、2人はいつもの顔をして見せた。にんまりと・・・
何か面白い事を思いついたようなそんな顔。
「う〜ん姫は何か勘違いをしているようだね〜?そう思わないかいフレッド?」
「そうだね〜?姫は僕達をまだ、ハリーやロンと同じだと思っているみたいだね〜ジョージ?」
そんな事言いながら、2人はがっしりと私の肩を掴んでこう言った。
「「Trick or Treat♪キスをくれなきゃ悪戯しちゃうぞv」」
「・・・!!?なっ・・・・!!」
僕達はもう、お菓子をほしがる子供じゃないよ?
そう言いながら、彼らは私の頬にキスを落として。
「そんなのずるいわよーーー!!!?」
「普通の悪戯じゃ、は驚いてくれないしね〜♪」
「に効果的なのは、スキンシップしかないじゃないかv」
なんていつものステレオサウンドは嬉しそうにつぶやいた。
ハーマイオニーと考えた双子対策は・・・あっけなく崩れ去った悲惨なハローウィン。
私の声が談話室に響いていたのに気づいた人は・・・誰もいない。
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