「やぁ!・・・Happy Hlloween♪」
「・・・あぁ、う・・・うん・・・?」
行きかう人が皆、私にそう声をかけてくる。
ハーマイオニーに聞いたら今日はハローウィンと言うお祭りの日なんだそうだ。
詳しくどんなお祭りか聞いてみたら、まぁ、日本で言うお盆みたいなものの様で。
けれど日本と違うのは、妙にどんちゃんしていると言う事だろうか?
「・・・ねぇ?ハーマイオニー・・・ハローウィンっていつもこうなの?」
私がなんとなく馴染めないでそう隣に座っている親友、ハーマイオニーに聞けば・・・彼女もまた楽しげに色とりどりの飾り付けを見ながら
嬉しそうに「えぇそうよ?」なんて笑う。
「貴女の国にも似たようなのがあったんでしょ?」
「・・・うん・・・まぁ、似ていると言えば似てるけど・・・」
微妙な表情の私に、彼女はクスクスと可愛らしく笑っていて。
取り合えず、私もにへらと笑って見せる。
まぁ・・・こういうものなのだろう。と。
「ところでハローウィンはどう過ごすの?」
飾り付けが始まっている大広間から部屋に戻る途中、ハーマイオニーがそうつぶやいた。
「・・・どう過ごすって・・・お菓子食べたり、皆とワイワイするんでしょ?」
違うの?・・・きょとんとした顔で私がそう言うと、彼女は「うん・・・まぁそうなんだけど・・・」とにんまりと笑みで答える。
そんな不気味・・・あっいや、妙な表情をする彼女に私は首を傾げるばかりだった。
「・・・悪戯される?・・・何それ?」
部屋に戻って、後はベットに入るだけ。そんな時に、彼女はそう教えてくれた。
『Trick or Treat ― お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃうぞ!―』
とか言って、仮装した子供がお菓子を貰いに来る・・・そんな話。
此処にいるのはほとんど子供。中には普通にお菓子を食べて、皆でワイワイして過ごす生徒もいるらしいが・・・例えばそう、悪戯好きのウィズリー家の
双子などは、本当に悪戯をしに来るのだと。
2年から飛び級。しかも同級生であるハーマイオニーよりも3歳年上の私に対しては、間違いなく好奇心旺盛なあの双子なら悪戯しに来るだろう・・・と。
「なっ・・・冗談でしょ?!悪戯なんてされたくないわよ!」
ゾォーっと青い顔で私が言うと、ハーマイオニーはクスクスとおかしそうに笑う。
「大丈夫よ?私だって、私の大事な可愛い親友を・・・そうやすやすとあの双子に悪戯させたりしないから?」
「・・・・・あっ・・・そう?アリガト・・・」
なんだか微妙に、彼女の言い回しが怖いなぁ〜・・・なんて引きつり気味で笑って答えながら、私は彼女の考え抜いたプランを聞く事にした。
明日のハローウィン。無事楽しく、2人で過ごせるようにと・・・。
・・・・・・2人で・・・ねぇ〜?