「ハーマイオニーいつ終わるんだろう・・・?」
こんな日に宿題なんて後回しにしてしまえばいいのに・・・そんな事思いながら、私は彼女が終わる
時間まで、暇つぶしに図書室へ。
たぶん彼女の事だから、徹底的に調べて、完璧にできるまでは・・・ハローウィンはおあずけね?なんて
少しあきれたため息一つ。
「・・・まぁ、そうだろうとは思ってたけど・・・・・」
図書室は、思っていた通り誰も居ない。
こんな楽しい日に図書室に来る人なんて、勉強好きかハーマイオニーか・・・
「悪戯を逃れようとする・・・私くらいなもんか・・・」
ちょっと自嘲気味に笑って、何か暇つぶしになるものでも・・・と本をあさる。
本を読むのが嫌いと言う訳ではないが、今は大広間で楽しいイベントが行われていると思うと、中々
本を読む気にもなれないというか?
「なんか面白い本あるかなぁ・・・」
「・・・はハローウィンは嫌いかい?」
ぼんやりとつぶやいた声に重なるように誰かが話しかけてきた。
びっくりして私の見ている棚を挟んだ通路を本を取り除いて見てみれば・・・
「!?ルーピン先生!?」
にっこりと優しい笑顔で同じようにこちらを覗いている人物の名前を叫んでしまった。
その後に、「しー・・・図書室は静かにね?」なんてクスクスと笑われながら言われてしまったのは言うまでもなく。
「先生も大広間に居ると思ってました・・・」
同じテーブルに着き、隣同士肩を並べて私がひそひそと声を出すと、闇の魔術に対する防衛教科の担任
リーマス・ルーピン先生は「そう?」と少し意外な顔をする。
「だって・・・先生が好きそうな行事じゃないですか?」
楽しい事が好きそうな相手。てっきり大広間で皆で楽しんでいると思ったから。
そんな私に、先生は少し複雑な笑顔を見せる。困ったような、悲しいような。
「うーん・・・キライじゃないけどね?生徒達にお菓子をせびられたら・・・」
僕にはこれしかないから?と、ポケットの中から数個のチョコを取り出して見せた。
そんな様子の先生に、私は思わず吹き出してしまって、図書室の中で先生と私の笑い声がちょっとだけ響いた。
「そっか・・・じゃあ、私がここで先生にTrick or Treat♪って言ったら、チョコがもらえるんですね?」
少しだけ雑談して、私がふと思い出したようにそう言ったら先生はきょとんとした顔をして、でもすぐにクスッと小さく微笑んだ。
「そうだね〜?そういう事になるね?・・・でも・・・が僕にどんな悪戯をするのかって言う方が気になるなかな?」
目を細めて、意地が悪そうな笑み浮かべてそう耳元で囁かれたら・・・頭の中は真っ白に。
「なっ・・・何もしませんよ・・・なんだか反対に先生に悪戯されそうだもの・・・」
思わず真っ赤になってあわあわとつぶやいて。思わず出た言葉に、先生がにんまりとしたのなんか気づかなくて。
「は、お菓子か何か持ってるのかい?」
「え?・・・一応・・・双子対策用には・・・」
「双子?・・・あぁ〜フレッドとジョージの事か?確かに彼らなら迷わずを悪戯するだろうね?」
「そうハーマイオニーにも言われました・・・だから、一応持ってますけど・・・」
「じゃあそれは双子用だって事だね?」
そうしてそんな事聞いてくるんだろう?そう思って、首を傾げた私に、先生はもう一度耳元で囁いて・・・
「Trick or Treat♪・・・お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃうよ?」
小さな音を立てて頬にキスをしてきた。
その後、図書室で大きな声で叫んでしまった私と・・・側にいたルーピン先生が怒られたのはすぐ後の話。
つまらないはずの図書室で、少しだけ嬉しい事があったハローウィン。
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