<Dear 親愛なるハリー・ポッター様・・・・・・・>
始まりはいつもこんな感じで、
でも、これは永遠に届く事のない・・・・・・・・・・・手紙の一部。
だって私はあなたが嫌うスリザリンの生徒で、あなたはドラコが嫌うグリフィンドールの生徒だから。
私の想いは、いつもゴミ箱へと届けられるの。
ダストボックス ―1―
「おい?・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
ハッとして振り向くと、そこには少し不機嫌そうな顔をしたドラコが立っていた。
どうやら私はしばらく彼に呼ばれていたらしく、そのせいでドラコは不機嫌になっていたようだった。
「あっ・・・・あぁドラコ?どうしたの?」
少しボーっとしたまま、私がそう答えるとドラコは軽く口を尖らせながら「ちょっと来い!」と私を引っ張っていった。
「どうしたの!ドラコってば!?」
連れて行かれたのは図書室の歴史書が置いてある場所。普段からここへは人が来る事がないので、よくドラコが内緒話をする
時にたむろう場所でもあった。
「これをポッターに渡して来るんだ・・・・・」
ドキッ・・・・・・・・・・・・・心臓が少しだけ飛び跳ねた。
だってドラコがそう言って私に手渡したのは、夏の空のように青い封筒。見に覚えのある・・・・・・・・・・・・届かないはずの私の手
紙と同じ柄のモノだったから。
「・・・・・・・?どうした?」
手渡された封筒を驚いた顔で見ている私にドラコがそう声をかけてきた。私はすぐに「なんでもない」と首を振る。
「・・・?・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁいい。とにかくこれを、お前がポッターに持っていくんだ。」
「・・・・・・・・・・・これ・・・・・・・・いったい何が書いてあるの・・・?ドラコ・・・・・・・」
少しだけ嫌な予感がして私が心配そうにそう聞くと、ドラコはクックックと意地悪な笑い方をして目を細める。
「ラブレターだよ?ポッター様に宛てた・・・・・・お前からのラブレター!」
ドキッ!!!?
「なっ!・・・・・・・・・・・・・何よそれ!!?」
私が思わず赤くなって慌てると、ドラコは声を殺しながら笑っていた。
「はっ!安心しろ!お前がポッターの事をなんとも思っていないのは俺だって知っている。だが・・・・・・・・お前はなんと言っても
東洋の魔女だ?しかもホグワーツではなかなか有名な容姿を持ってる・・・」
「お前のそれを・・・・・・・・・・・・・・・・・・利用して、ポッターに恥をかかせてやるんだよ?」
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ドラコは言った。
これを成功させたら、私を仲間に入れてやる・・・と。
特殊な私の力はここ【ホグワーツ魔法学校】でも異例の力だったらしかった。だから私の入学はドラコやハリー達よりも少し送れ
て入学になってしまったのだ。しかも入学までの期間はひたすら魔法の勉強をしていた成果もあって、途中編入と言う形に。
そんな途中から入ってきた私。だから周りに目は好奇心だけではなく、ヒガミにも似たものまで生まれるのだ。
そして私が選ばれたのは[スリザリン]・・・・・・・・自意識と強い者に惹かれる崇拝心が強い生徒が集まっている所。
私のいた日本ではあまり見られない人達が集まっている場所。そんな所に珍しい人種で、特例な人間が入るといったいどうなる
のか?
そこに生まれるのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヒガミと差別。
だからここに来て、約半年にもなる私にはまだ友達がいない。友達どころか、私が挨拶しても、話しかけても・・・皆、まるで私が
存在しないような態度をするのだ。
初めのうちはまだ平気だった。でも段々と私を襲ってきたのは[孤独]
身近に親戚がいたわけでも、友達がいたわけでもない外の国。私には本当に辛いだけの場所。
「・・・・どうしたの?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・泣いているの・・・?」
そう初めて話しかけてくれたのはハリーだった。
その時は制服も着てなくて、きっと私がスリザリンの生徒だと思わないで話しかけてくれたのかもしれないけれど。
それでも本当に嬉しかった。
そのハリーを・・・・・・・私に学校へ対しての気持ちを楽しいものに変えさせてくれた彼を・・・・・・・・ドラコは恥をかかせろと言う。
そうすれば、私は一人にならなくてすむと・・・・・・・・・・・・魅惑的な言葉をかけて来る。
「・・・・・・・・・・ハ・・・リー・・・・・・・・私・・・・・・私・・・・・・・・・・・・・」
言葉が出ない。その言葉の代わりにあふれてくるのは涙。
どうしていいかわからなくて、
自分自身の気持ちが色々とごちゃ混ぜになって、
私は・・・・・・・・・・・・・・青い封筒を握り締めて立ち尽くすしかなかった。
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あぁーっ!?なんか・・・・・続いてしまいました(汗)
相変わらずまとまりがない女ですんません(T▽T;)
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